〔目からウロコ本:その1〕 ワークショップ・デザイン
posted on 2008年8月15日 04:17
子育てしながらエンパブリックの仕事をしている主婦社員のYbです。
代表の広石は、いつもワークショップの可能性について熱く語っているのですが、私は子育て中で時間が限られているので、色々なワークショップに気軽に参加は難しかったりします。
広石は「ワークショップ開発入門」で、極意を語っている!そうなのですが、今までこの講座は夜に開かれていて、未だ参加できず。。。
そんな時、スタッフのFから、こっそり(?)手渡されたのが
「ワークショップ・デザイン 知をつむぐ対話の場づくり」堀 公俊、加藤 章 著、日本経済新聞出版社
という本です。
本書では、ワークショップを開催するスキルが体系的にまとまっていると同時に、なぜ、ワークショップがよいのかという「ワークショップ魂」もわかります。また、ワークショップの例なども具体的に掲載されています。
この本があれば、あなたも明日からすぐワークショップが開催できるはず!といかなないの が、ワークショップなのだろうなとわかるのもこの本なのです。
本書の中では、『ワークショップでもっとも大切なことは、「今」「ここで」で起こったことです。その時、その場に「新たに生まれてくるもの」、すなわち「創発性」こそが、ワークショップの命です(p14)』と書かれていますが、これを読むといかにも、寄せ集まって何かワイワイと、ワークショップもどきをすれば、何かがぱっと生まれてイイ感じ ↗ になるという印象を受けてしまいます。
しかし、実は、この創発性によって「成果」を出すためには、念入りに丹念に準備・計画し、かつプロ的なファシリテーターの進行が必要なのであるということを(本書ではそのことを「つくり込み」と言っていますが)、改めて認識させられるのです。例えば、だれが参加するかというメンバー構成も、そのワークショップの成果に大きな影響を与えます。例えば、社内の問題解決策を検討するときなどに、決定権のある人を加えておくことで、その場で解決策を決定し、ワークショップ終了後すぐに行動に移せるといったことも可能となります。
このように、偶発的な成果を出すためには、ある意味、恣意的な仕掛けが重要であり、また、こうした「つくり込み」の仕方により、様々なタイプの成果を導きだせるワークショップは、なんて可能性がいっぱいなのかと感銘を受けました。
ただし、くどいようですが、その成果をどのように出すかは「つくり込み」ができても、その成果の内容そのものについては、「つくり込み」はできません。人が集まり、そこで体験と知恵とがぶつかり合うことで、1+1=2 ではなくて、2以上のものが出てくる! それが、まさに、筆者がいうところの、ワークショップの命、醍醐味なのでしょう。
また、スキル本の本質とはずれますが、私がこの本を読んで特に興味深かったのは、『ワークショップが隆盛する背景に、自立分散協調型社会の到来がある。自立分散協調型社会とは、参加協働型社会とも呼び、自立した人々が多様で広範なネットワークをつくり、連携・協調しながら形成する社会です。』(p18、p234)という部分です。
私が社会調査の仕事を離れてから10年以上がたちますが、最近また社会調査的なものに携わるようになってみて、その10年の間に社会が変わってきたなというのは実感します。
私が勤めていたころにあった官と民とか、組織社会という概念だけでは、今の複雑な社会問題や人々の要求に対応できず、それに対応するために、どんどん社会のあり方が進化し、新しい概念が必要とされているのだろうなと感じています。その中で、この「自立分散型の社会の到来」というのは、まさに納得しましたし、それとワークショップが結びつくこと、つまり、ワークショップを通じて、『社会の中で生きる人間が本来の姿を取り戻す』こと、『真の「人と人が響き合う社会」の実現を目指して、幅白い協働を進めていくこと』を目指すことに、またまたワークショップの奥深さと可能性を感じたのであります。まさに、ワークショップは時代の先端を行っているんですね!
さらに、もう一点興味深かったのは、ワークショップが、成果を出すということだけではなく、その成果をつくるプロセスの中で、参加者の関係性を高めるという側面もあることです(p57)。たしかに、ワークショップに参加して、自分の内面を見つめて発表するということは、自分の普段出さない部分までさらけ出す感じがして、ある意味気恥ずかしいようなところもありますよね。
これを、職場でやったら、、、今は飲み会もあまりないし、社員旅行なんかもなくて、社内コミュニケーション不足といわれているそうですが、ワークショップを取り入れることで、職場の人が、どんな考えを持っている人なのか、どんなタイプの人なのかが理解できるようになるのではと期待できます。ワークショップをやってみたら、普段クールにみえる隣の席のイケメン君が以外と熱血漢だったなんてわかって面白いかもしれません。
かつて、一緒に風呂屋に行くことで「裸と裸の付き合い」ができるなんて言っていましたが、ワークショップは、ある意味、「心の裸と裸の付き合い」ではないでしょうか。どうぞ、あなたの職場にもワークショップを取り入れ、心の裸と裸の付き合いをしてみてはどうでしょう!!
エンパブリックで、全員がファシリテーターになれる社会!を目指して、「ファシリテーター体験」を提供しているのは、多くの職場にワークショップが入って欲しい!ということなのだろうな~と、スタッフなのに意味をちょっと遅れて理解してしまいました。
ワークショップは、簡単そうで難しいけど、色々な人が色々な可能性を開けるチャンスになるんじゃないかな、そんな風に感じています。

