〔目からウロコ本:その4〕「レクサス」が一番になった理由
posted on 2008年10月17日 23:42
子育て主婦スタッフYbによる目からウロコ本の第4回は、前回の「最強組織の法則」が分厚い本
だったので、少し軽めの本を読もう、ということで、スタジオの本棚から写真の多い本を選んだ。
そのタイトルは、
「レクサス」が一番になった理由 (ボブ・スリーヴァ著、小学館)
レクサスとは、いわずと知れたトヨタの高級車ブランドである。このレクサスがアメリカで、すごく売れ
ているらしい。それもトヨタではなくて、レクサスというブランドで。 (実際、うちのだんながお世話に
なったアメリカ人の大学教授も、レクサスを乗りまわし、大絶賛していたそうだ)。
そして、「LEXUS-like」という言葉まであるらしい!
LEXUS-like:最高なもの、この上ない品質を表す
そうか、やっぱりモノがいいからレクサスは売れたんだなと、凡人は思う。
しかし、その考えは間違っているそうだ。
もっと様々な要素があるというのである。著者は、この要素を 丁寧にみることで、低迷している
日本のモノづくりのヒントになるとしている。
レクサスはモノがいいから売れたと単純に思ったアナタ(私?)、前回ご紹介し た本の「システム
思考」できてませんね。
ということで、この本を読んでいくと、本当にアメリカの消費の変遷や、「ブランド」とは?アメリカ
における日本車とは?ということが、目からウロコ的に わかる。
消費の変遷などはある意味、日本におけるものとも似ているところもあるので自分の体験もあい
まってフムフムと読み進むことができる。
今は、消費の変遷的には、「本物」を求める反省の時代だそうだ。
これ本当にそうですよね。特にバブルを経験した世代にとっては、、、、大いにナットク。
そして、今は、モノではなくて「コト」が重視される時代とも。つまり、モノがいいからだけでは、
売れる時代じゃないということ。「モノのいいもの」を使う ことで何が体験・経験できるかということが
大事であり、それこそがブランドという概念だそうである。モノから体験・経験重視という傾向は、
確かに、日本で も若者は車をほしがらないらしいし、エコとかスローライフとかが注目されていると
いう点からもナットクできる(国民生活白書にもこんな感じの記載があった ような)。
また、日本のCMを見ても、どんな生活になるか、どんな気持ちになるかみたいなものを見せる
ものが多くなっているような気がする。日本の消費者 だって進化しているのだ。
しかし、日本はもの造り大国だから、この「コトを売る」という部分が弱いらしい。ここがこれからの
日本のもの造りの肝となると著者はしている。
レクサスに ついても、当初開発者は気づいていなかったかもしれないと著者は思っているようだが、
よい体験を提供するといった点において優れており、今後もこれを提供 しているならばレクサスの
未来は明るいとしている。
つまりこれからのもの造りには、技術だけでなく、「数字では図れないコト」を主観的に判断する
センスが 必要だとしている。う~ん、日本人ってこれ苦手そう。前々回紹介した「発想する会社」の
IDEOとか、もっとも得意とする分野のような気がするが。
日本の地域 の名産品とか伝統工芸品なんかも、こういう思考がプラスされればもっと活性化でき
るのではないだろうか(きっとそのように感じて動きだしていらっしゃる方 もいますよね)。
私が本書の中で、おもしろいなと思ったのは、アメリカ人の考え方の「PC」というものである
(著者は、日本車がアメリカで受け入れられた理由の一つとし ている)。
PCは、パソコンではなくて、「Politically Correct」というものである。
直訳すると"政治的に正しい"だが、そうではなくて、例えば、 人種差別に反対するとか、環境
問題を気にするとか、資本主義の暴走に疑問をもち持続可能な社会に気を留めるとか、そういう
アメリカ人の信念みたいなもので、私はこれを持っていますよと外部に表明することが大事なのだ
そうである。
某ハリウッドスターが、ロールスロイスではなくて、「プリウス」に乗ったりす るのも、「私は派手
だけど、バカじゃありません、そういうことにも責任を持っているのです」というPCを示しているのだ
そうである。日本のエコブームも ちょっとこの流れに乗っているような気もするが。。。。大統領選挙
で、表立ってはオバマさんを応援している白人の民主党員が、実はマケインさんに投票しちゃうみ
たいなところも、PC的な考えにつながるのかなとまたここでも一人でナットクする私。
アメリカで、チャリティとかボランティアとか盛んだったり、社会的起 業家などが多いところもPC的
な考えも要素としてありそうな気がする。また、一つ勉強になりました。広石社長ありがとう~。
さて、先ほど、「モノ」ではなく「コト」を売るのがこれからは必要ということを書いたが、最後に著者
はこのことを、日本の「モノづくり」に「おもてなし の心」を内蔵すべきだとしてまとめている。
「おもてなしの心」 うん?、最近、日産の某車のCMでこの「おもてなし」っていうのありませんでし
た? トヨタ のレクサスの本からのフレーズが、くしくも日産のCMで使われているっていうのが、
なんだか面白いとマニアックに思った私、、、。きっとCMを手がけた人 もこの本を読んだんだわ!と
また一人よがりな邪推をして楽しんでいるのである。
〔目からウロコ本 ☆バックナンバー☆〕
第3回 最強組織の法則
第2回 発想する会社
第1回 ワークショップ・デザイン

